リウマチの
判断基準・治療方法・薬

  • 予約方法
  • 予約方法

初期の関節リウマチを見分ける血液検査も含め
初期の病態でもしっかりとした診断が出来るようになりました

関節リウマチの判断基準

アメリカリウマチ学会
診断基準(ARAの診断基準)
日本リウマチ学会
早期関節リウマチの診断基準
下記4項目以上にあてはまる場合
関節リウマチと診断
下記3項目以上にあてはまる場合
早期関節リウマチと診断
【1】朝のこわばりが、少なくとも1時間以上にわたってみられる。 【1】1つ以上の関節で、圧痛や動かしたりすると痛みを感じる。
【2】3つ以上の関節に炎症による腫脹がみられる。 【2】2つ以上の関節に炎症による腫脹が認められる。
【3】手指の付け根の関節、手指の第2関節に炎症による腫脹がみられる。 【3】朝のこわばりを認める。
【4】左右対称の関節に炎症による腫脹がみられる。 【4】リウマトイド結節が肘や膝に認められる。
【5】皮下結節(リウマトイド結節)が肘や膝にみられる。 【5】血液検査で血沈に異常がみられる、あるいはCRPが陽性である。
【6】血液検査でリウマチ因子が陽性である。 【6】 血液検査でリウマトイド因子が陽性である。
【7】 レントゲン検査で、手の関節に骨の萎縮などの変化がみられる。

関節リウマチの治療方法・目標

リウマチ治療の目標は、火(炎症)が消えて
関節破壊が進行しない状況(寛解状態)に持っていくことです。
早期治療のイメージ以前は、関節破壊も年月をかけて徐々に進むとされており、徐々に抗リウマチ薬(DMARD)を使用していく治療法が選択されてきました。しかし、近年、関節破壊は罹患初期の2~3年に急速に進行することがわかり、リウマチの早期加療の重要性が指摘されるようになりました。

関節リウマチにおいては、いち早く病気をみつけて治療を始めることが、病気の進行を遅らせるために必要とされ、骨破壊の抑制が治療目標になり、Window of opportunity=(この時期に関節リウマチを抑制すれば、来るべき関節破壊の進行を少なくしたり、留めることが出来る時期)が存在すると言われています。

罹患初期の2~3年が発症初期と言えるため、治療に反応しやすい発症初期における治療の重要性が指摘されています。

ファイザー社のリウマチ治療薬をアンカードラッグ(要の薬剤)として、副作用をモニタリングしながら、症状に合わせた治療を発症初期から取り入れる方法が主流になっています。

関節リウマチのお薬

飲み薬+TNF阻害薬(生物学的製剤)

飲み薬を中心にした治療法に加え、TNF阻害薬を組み合わせることで、より高い有用性が得られます。
TNF阻害薬は点滴や皮下注射で行われ「痛み」や「腫れ」をやわらげるだけでなく、
「関節破壊」の進行を抑えることが出来ます。

さらに、これまでの治療では、治療がうまくいかない場合に平均寿命も
一般人口の平均値と比較して短いと言われていましたが、これを延長させるというデータもあります。

Q.リウマチ薬にはどんな効き目(作用)がありますか?
関節リウマチは、免疫の異常から関節内に大量の炎症を引き起こす物質が蓄積して、それが軟骨や骨を破壊している事がわかってきました。中でも、TNFαとIL-6が重要になり、TNF阻害薬(エタネルセプト製剤やインフリキシマブ製剤)は、そのTNFαに結合して、TNFαの悪い働きを止める薬です。このことが、関節リウマチの病状を飛躍的に改善させました。

【1】関節の腫れや痛みをやわらげる。(ひいては、ステロイドの内服量を減らすことにつながります)
【2】関節破壊の進行を食い止めます。(炎症関節における破骨細胞を抑制します)
【3】生活動作の障害を軽減します(歩行や日常生活動作を改善する事により、ADLの改善が期待できます。
【4】これらの結果として、ステロイドやNSAIDなど、長期服用での副作用が懸念される投薬量を減らせる可能性もあります。
Q.副作用はありますか?
TNF阻害薬(生物学的製剤)は、免疫の働きを抑えて関節の炎症を食い止めるものです。したがって、感染症にかかりやすくなる可能性があります。

また、ファイザー社のリウマチ治療薬の内服では間質性肺炎などの副作用があり、「咳」や「熱」などの症状が続いた時や、何か心配な症状があったときは、速やかにご相談いただき、感染症についての診察及び検査をします。

咳や熱など、風邪症状を生じたときに、すぐに相談できる環境が重要になります。また、重篤な副作用を生じた際は、関連施設をご紹介する事が可能です。
Q.リウマチ薬の投与は注射ですか?
エタネルセプト製剤は皮下注射です。注射部位が赤く腫れたりすることもあります。
週に1~2回の皮下注射を行い必要時間は数分です。当院内での注射、あるいは練習後にご自宅での自己注射も可能です。 また、レミケードは点滴注射の薬ですので、点滴の際に一時的に頭痛や発疹がみられる場合があります。

どちらも、導入には問題になる感染症の有無など充分な検査をしてから、投与スケジュールを決定します。
Q.リウマチ薬の費用
保険適用です。所属健保の種類や年齢、障害者手帳の有無などによって費用は異なります。

また、区市町村によって医療費の補助などの違いがあります。障害者手帳申請をしていない方は、診察を通じて障害等級の認定書類を作成します。ご相談ください。

TOP